はじめての動画配信コラム

教育現場で動画をうまく活用するには!

教育現場での動画配信の活用方法について、基礎知識から実践編まで解説します。

タブレットを操作する子ども

導入ストーリー(学習塾編)

教育現場で動画をうまく活用するには!
第4章: 学習塾でオンデマンド授業を始めるには?≪オンデマンド配信準備編≫

学習塾で展開できる動画配信サービスには、授業をリアルタイムに配信する「ライブ配信」と、映像コンテンツをサーバ上に置いてユーザーの求めに応じて配信する「オンデマンド配信」の、2つのタイプがあります。

ここでは、学習塾が「授業のオンデマンド配信を始めるにあたって必要なこと、確認しておきたい準備事項についてお伝えします。

ライブ配信準備編はこちら

オンデマンド配信の特徴と導入シーン ~入試対策、反転授業なども

オンデマンド配信では、授業や講座をアーカイブ化することで、本来なら1回限りの授業が映像コンテンツとして何度でも利用できるようになります。生徒にとっても、受けたい授業や講座を見たい時にいつでも、繰り返し、自分の都合のよい場所で視聴できる、というメリットがあります。

模擬試験やセンター試験などの解答と解説コンテンツや、受験に関わるHow Toビデオも、オンデマンド配信なら有効に活用されるはず。入試対策に非常に強い味方となることは間違いありません。 また、通常授業を録画しておけば、病気やアクシデントによる欠席者へのフォローとして、「振り替え授業」をオンデマンドで配信することも可能です。

特に、近年注目を集めている「反転授業」に、オンデマンド配信は欠かせません。「反転授業」とは、従来「授業」で学んでいた内容を動画にして、生徒はビデオやオンデマンド配信であらかじめ受講(予習)しておきます。そして本来の「授業」では、予習した内容を先生の指導のもとで復習したり応用したりしながら知識をより深めていくもので、アクティブ・ラーニングにつながる教育法として注目されています。

学習塾でも、積極的に反転授業に取り組むところが出てきています。今後、入試などで求められる力をいち早く伸ばし、進学率の向上につなげ、生徒の獲得を容易にする狙いがあります。

5W2Hでオンデマンド配信サービス導入の目的を明確に

オンデマンド配信サービスを導入する前に、5W2Hを活用して、導入目的や望む効果を明確にしましょう。導入後の目標が明確になるとともに、運用がスムーズになり、トラブルを回避することができます。

  • Why =「なぜ? 何のために?」⇒目的・理由・目指す効果
    例)有名校への進学実績作り
  • What =「なに? 何を?」⇒改善したい問題・課題、実現したい内容
    例)生徒の学力向上
  • Where =「どこ? どの範囲?」⇒場所・対象とする範囲
    例)生徒のPC(Windows7以降)およびスマートフォン
  • When =「いつ? いつまでに?」⇒スケジュール・期限
    例)サービス告知を今年10月までに行い、来年4月からサービス提供開始
  • Who =「誰に? 誰が?」⇒対象および実現できる体制
    例)経営企画室が主幹となり導入推進
  • How=「どのように?」⇒手段・方法
    例)クラウドサービスを利用、授業を編集しオンデマンド配信
  • How Much=「いくら?」⇒初期費用・ランニングコスト・編集費等の予算と費用対効果の試算
    例)コスト:初期費用100万円 ランニングコスト年間740万円(コンテンツ編集費含む)
    費用対効果:合格率

学習塾における動画配信サービスを選ぶための8ポイント

5W2Hで明確にした導入目的に沿って、自塾での運用にふさわしい動画配信サービスを選定することが大切です。ムリ・ムダ・ムラなく、効果的な動画活用を継続して運用するために、以下の8項目のチェックポイントを確認してみましょう。

1.オンプレミス型かクラウド型か

  • オンプレミス型:自社で、動画配信に関わるサーバやソフトウエアなどの設備を導入、設置して運用する方法。独自機能の実装やオリジナルデザインの適用など自由度の高いサービス提供が可能な一方、サーバやネットワークなどのインフラ管理に、より高度な専門知識と社内リソースの確保が求められる。大容量送信や、機密事項の高い情報を扱う場合に適している。
  • クラウド型:サーバ、ネットワーク、ソフトウエアなど、動画配信に必要なリソースがすでに構築されているサービスを、必要に応じて利用する方法。基本的な動画配信システムとサーバ容量がパッケージ化されているため、低コストで手軽に導入できるうえ、柔軟な運用が可能。学習塾独自の機能が実装されているクラウドサービスもある。

2.マルチデバイス対応か

生徒の利便性を高めるためにも、PC、タブレット、スマートフォンなど、さまざまなデバイスが使えるマルチデバイス対応が望ましい。

3.サービスの安定性

回線やサーバなど、サービス提供レベルにふさわしい環境が整っているか、確認が必要。

4.LMS(学習管理システム:Learning Management System)対応か

生徒一人ひとりの視聴状況や学習履歴、理解度を把握し、確実なフォローアップにつなげるためのLMSがあることが望ましい。

5.配信規模への対応

小規模配信なら導入が手軽なパッケージサービス、大規模配信なら多様なニーズに対応可能なパッケージ+セミオーダーが望ましい。配信先の増減やコンテンツのボリュームによって、映像の質やコストに影響が及ぶか否かも選定のポイント。

6.セキュリティ

安易にダウンロードや複製、改ざんといった被害に遭わないよう、会員(生徒)保護の面でもコンテンツ保護の面でも、セキュリティには十分注意する必要がある。ID/パスワード認証はもちろん、ワンタイムURLへ対応しているなどセキュアなサービスを選びたい。

7.料金体系と契約方法

  • 利用分に応じて料金が決まる従量課金が良いか、料金が一定で予算が立てやすい定額制が良いか
  • フリートライアルなど、無料で試せるサービスがあるか
  • 月単位の契約か、年間契約か、それ以外の方法での契約か

尚、無料の動画共有サービスは、利用しやすい半面、サポートやセキュリティが脆弱な場合がある。生徒の個人情報を取り扱う学習塾では慎重に対処したい。

8.使いやすさ、運用フォロー、サポート体制

  • 簡単に導入できるか。特別な機材を必要とするか
  • 管理者(先生)も生徒も直感的に使えるか
  • 管理ページが使いやすい設計か
  • サポート体制は万全か

学習塾でオンデマンド配信するために準備するもの

学習塾におけるオンデマンド配信では、授業動画の理解を促進するために、撮影した動画に挿入したいテキストや音声などを編集し、映像コンテンツを作成するのが効果的であり、一般的です。そのため、以下のような機材や素材を準備する必要があります。

  • 動画撮影機材(ビデオカメラ&照明)
  • 動画の撮影場所(スタジオ・教室・会議室など)
  • コンテンツ用素材(動画、電子教材・資料)
  • 編集機材(PC、編集ソフトなど)

動画の編集に慣れていない、必要な機材を準備できないなど、映像コンテンツを制作することに不安を感じるなら、これらがパッケージ化されている動画配信サービスを選ぶとよいでしょう。

オンデマンド配信による授業を行っている学習塾は、まだまだ少ないのが現状です。黎明期の今始めることで、競合との差別化を図り、生徒や保護者に対して大きなメリットを提示することができるでしょう。

「映像コンテンツ編集や配信システムの導入、LMSには高額の投資が必要」
「企画や運用ができる専門スタッフがいない」

もしもこのような理由で導入をためらわれるなら、NTTスマートコネクトのストリーミングサーバー・動画配信システム・学習サポートサービス『光Webスクール』をご検討ください。手軽に導入できる価格で、ワンストップサービスを提供いたします。

次回は、「オンデマンド配信実践編」と題し、学習塾がオンデマンド配信を実際に運用していく時に留意すべきポイントを解説します。

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