2026.8.18
IT資産管理【2026年版】ログ管理ツールおすすめ7選を比較|4タイプ別の選び方を解説

目次
ログ管理ツールは、社内で発生するログを自動で収集・保管・分析し、セキュリティインシデントへの対応や内部不正の抑止、監査対応を支援する製品です。
本記事では、ログ管理ツールの主要7製品を4タイプに分類して比較し、自社に合う製品を選ぶための判断軸を整理しました。導入メリット・注意点や、SIEMとの違い、機能・選び方についても解説しています。
ログ管理ツールとは

ログ管理ツールとは、社内のPC・サーバー・ネットワーク機器などから発生する各種ログを収集・保管・分析し、セキュリティ対策や業務改善に活用するためのソフトウェアです。管理対象はPC操作ログだけではなく、サーバーの認証ログ、ネットワーク機器の通信ログ、業務システムのイベントログまで多岐にわたります。
サイバー攻撃の高度化や内部不正リスクの顕在化、テレワークの定着により、ログを取得・管理しない状態は企業にとってセキュリティ上のリスクが増大しています。インシデント発生時に該当時点のログが残っていないと、原因の特定や被害範囲の把握ができず、対応が後手に回り被害が拡大する事態を招きかねません。監査対応時に必要な証跡が示せず、社会的信用を損なうケースも発生します。
ログ管理ツールを導入することで、複数の端末やシステムから発生するログを一元的に収集・分析でき、インシデントの早期検知や内部統制の強化、法令・監査対応の効率化を進めることが可能です。
ログ管理ツールで扱う主なログの種類
ログ管理ツールで扱うログには複数の種類があり、取得元と用途によって分類されます。代表的なものは、以下の5種類です。
- PC上の操作履歴を記録する「操作ログ」
- ログインやログオフの記録を扱う「認証ログ」
- システム動作の記録を扱う「イベントログ」
- 通信の送受信を記録する「アクセスログ」
- 障害発生時の記録を保管する「エラーログ」
製品によって取得できるログの範囲は異なり、PC操作ログに特化した製品もあれば、サーバーや通信機器を含めた多様なログを統合管理できる製品もあります。選定時は、自社が管理したいログの種類を明確にしたうえで、対象範囲をカバーできる製品を絞り込んでいくことが重要です。
各ログの詳細については、以下もあわせてご覧ください。
関連記事:PCログとは?種類・取得方法と勤怠管理・セキュリティ対策での活用法を解説
関連記事:アクセスログとは?種類・確認方法・分析のポイントを解説
ログ管理ツールの4つのタイプ

ログ管理ツールは、機能の重点と対象領域によって以下の4つのタイプに分類できます。それぞれの特徴を押さえておくことで、自社の課題に合った製品を選定しやすくなります。
- IT資産管理型
- PC操作ログ専門型
- 統合ログ管理型
- 業務可視化型
IT資産管理型
IT資産管理型は、PCやサーバー、ソフトウェアといったIT資産の管理機能と、ログ管理機能を統合したタイプです。資産情報の自動収集、セキュリティパッチの配布、デバイス制御、リモート操作などの機能を備え、PC操作ログの取得も標準で搭載しているケースが多いです。
IT資産管理・セキュリティ対策・ログ管理をひとつのツールで完結できる点が特徴で、幅広い運用課題に対応できます。ネットワーク機器やクラウドサービスのログまで統合管理したい場合は、統合ログ管理型と組み合わせる運用が現実的でしょう。
専任のIT管理者がいない中小企業から、多拠点管理が必要な中堅・大企業まで、幅広い規模の組織で導入されています。
IT資産管理を主眼にした製品選びについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:【2026年版】IT資産管理ツールおすすめ8選を比較|機能・タイプ別の選び方を解説
PC操作ログ専門型
PC操作ログ専門型は、PC端末上の操作履歴を精緻に記録・分析することに特化したタイプです。ファイル操作、Webアクセス、印刷、外部デバイスの接続など、業務PC上のあらゆる操作を高精度で取得します。
取得できるログの詳細度と分析機能に強みがあり、内部不正の兆候把握や情報漏洩発生時の原因究明で成果を上げやすいタイプです。IT資産管理機能は限定的なため、資産管理は別ツールで運用しているケースや、情報漏洩対策を最優先で強化したい組織で選ばれます。
金融・医療・製造など機密情報を多く扱う業界での導入例が多くみられます。
統合ログ管理型
統合ログ管理型は、PC操作ログだけではなく、サーバー、ネットワーク機器、業務システム、クラウドサービスなど、複数のログソースから発生するログを一元的に収集・管理するタイプです。後述するSIEMとの連携や、大規模データの長期保管に対応した設計になっています。
多様なログソースを扱う中規模〜大規模組織や、法令・監査要件で長期保管が求められる業界に向いた製品タイプです。設定項目が多く、専任の情報システム部門による運用が前提となるケースが多いため、導入時は運用体制の設計もあわせて検討する必要があります。
業務可視化型
業務可視化型は、PC操作ログを収集し、業務プロセスの実態を可視化することを主目的としたタイプです。労働時間の把握、業務負荷の偏り、アプリケーションの利用状況の可視化など、生産性向上や労務コンプライアンスの観点でログを活用します。
セキュリティ対策よりも業務改善や働き方改革の文脈で導入されることが多く、経営層や人事・総務部門が主導するケースも増えています。PC操作ログの取得機能を備える点はPC操作ログ専門型と共通しますが、分析の切り口が業務プロセスや労働時間に寄っている点で用途が異なります。
ログ管理ツール導入のメリット
ログ管理ツールを導入することで、企業は以下のようなメリットを得られます。
- セキュリティインシデントの早期対応が可能になる
- 内部不正・情報漏洩のリスクが下がる
- 法令・監査対応の工数が削減できる
- 業務実態が客観的なデータで把握できる
セキュリティインシデントの早期対応が可能になる
不正アクセスやマルウェア感染、内部不正などのセキュリティインシデントが発生した際、原因の特定や被害範囲の把握には該当時点のログが不可欠です。ログ管理ツールを導入すれば、複数の端末やシステムから発生するログを一元的に保管でき、インシデント発生時に必要な情報を即座に検索・照合できる状態を整えることが可能です。
さらにログ管理ツールは、収集したログをリアルタイムで監視し、事前に設定した条件に該当する挙動を検知した時点で管理者に通知するアラート機能を備えています。深夜のファイルアクセスや大量データのダウンロードなど、不審な兆候を発生時点で把握できるため、被害拡大前に対応を開始できるでしょう。
ログを取得していない状態では、インシデント発生時の情報収集や突合に時間を要し、初動対応が遅れる要因となります。ツール導入により、事後対応と兆候検知の両面で、初動のスピードと精度が大きく向上します。
内部不正・情報漏洩のリスクが下がる
IPAが毎年公表する「情報セキュリティ10大脅威」では、内部不正による情報漏洩が組織部門で継続的に上位にランクインしています。従業員によるUSBメモリへのデータ持ち出しや、私的なオンラインストレージへのファイルアップロードは、日常業務のなかで発生しやすい脅威です。
ログ管理ツールが操作ログや通信ログを取得することで、不審な兆候を可視化でき、抑止効果と早期発見を両立できます。
特にUSBデバイスの接続履歴やファイル操作の詳細記録は、内部統制強化の観点で重要な情報です。従業員に「ログを取得している」ことを周知することで、不正行為への抑止効果も期待できます。
参考:情報セキュリティ10大脅威 2026 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
法令・監査対応の工数が削減できる
個人情報保護法、金融商品取引法(J-SOX)、PCI DSS、労働基準法の記録保管義務など、業種や業務内容によってログの取得・保管が法令や業界基準で求められるケースがあります。労働基準法第109条では、賃金台帳や労働時間の記録などの保管期間として5年(経過措置として当分の間は3年)が定められています。
ログ管理ツールを導入すれば、必要なログの自動収集・保管・検索が仕組みとして整い、監査対応時の資料提出も迅速に行えます。手動でログを収集・整理する運用では、監査対応のたびに多大な工数が発生します。ツール導入により、この負担を大幅に軽減できるようになります。
業務実態が客観的なデータで把握できる
ログはセキュリティ対策だけではなく、業務改善の観点でも活用可能です。
PC操作ログを分析すれば、社員がどの業務にどれくらいの時間を費やしているか、どのアプリケーションが実際に利用されているか、どの作業が繰り返し発生しているかといった業務実態が、客観的なデータで把握できます。アンケートや自己申告では見えにくい業務の実態が数値で明らかになり、業務プロセスの見直しや人員配置の最適化、DXツールの投資対効果測定にも活用できるでしょう。
業務可視化型のログ管理ツールでは、繰り返し作業のパターンをAIが自動抽出する機能もあり、RPA化候補の特定や標準化の業務選定にも役立ちます。
ログ管理ツール導入のデメリット・注意点
ログ管理ツールは導入すれば自動的に効果が得られるわけではありません。以下の注意点を押さえたうえで、導入・運用の設計を進めることが重要です。
- 導入・運用コストが発生する
- 従業員のプライバシー配慮が必要になる
- 運用ルール不足によりログ活用が形骸化する
導入・運用コストが発生する
ログ管理ツールの導入には、初期費用として端末台数分の製品利用料と構築費用が発生し、運用フェーズでは月額または年額の利用料が継続的にかかります。オンプレミス型ではサーバー構築・保守の負担も加わり、クラウド型に比べて初期投資が大きくなる傾向があります。
そのため、単純な費用比較だけではなく、専任管理者の人件費やインシデント発生時の対応工数まで含めたトータルコストで判断することが重要です。
中小企業では、初期費用を抑えやすいクラウド型が選ばれる傾向にあります。導入前に運用体制と予算を明確化し、必要な機能に絞ってスモールスタートする進め方も検討するとよいでしょう。
従業員のプライバシー配慮が必要になる
PC操作ログや通信ログの取得は、業務目的での実施であっても従業員のプライバシーに関わる領域です。ログ取得の目的・範囲・保管期間・確認プロセスを社内規程として明文化し、従業員への十分な説明と合意形成を行うことが前提となります。
厚生労働省の労働時間ガイドラインでは、客観的な記録の一環としてPC使用時間の把握が例示されており、業務上の合理性が認められる範囲での取得は認められています。ただし、業務時間外の操作までを対象にすることや、私的利用の内容を過度に閲覧することは、労働契約上の合理的範囲を超えると判断されるおそれもあります。
参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン |厚生労働省
一方で、ログの取得は従業員を守る側面もあります。不当な疑いをかけられた際の潔白証明、労働時間の客観的な記録による過重労働の抑止、責任範囲の明確化など、記録が従業員自身の権利を守る材料となる場面もあります。
このような背景や取得目的、運用ルールは必ず伝えたうえで、管理者と従業員双方が納得できる運用を設計することが、法的リスクの回避と社内信頼醸成の両面で欠かせません。
運用ルール不足によりログ活用が形骸化する
ログ管理ツールを導入しても、ログを取得するだけで満足してしまい、活用に至らないケースは少なくありません。膨大なログデータのなかから異常や重要な兆候を検知するには、定期的なログ確認、アラート条件の設定、対応フローの明文化などが必要です。
「何のためにログを取得するのか」「誰がいつ確認するのか」「異常検知時にどう対応するのか」を運用ルールとして事前に定めることが、形骸化を防ぐ近道です。導入時にツールベンダーの支援を受けながら、自社の業務プロセスに沿った運用フローを設計しておくことが有効と言えます。
運用開始後も定期的にルールの見直しを行い、実態に即した運用へアップデートし続けましょう。
ログ管理ツールとSIEMの違い

ログ管理ツールと近い領域の製品として、SIEM(Security Information and Event Management)が挙げられます。両者はログを扱う点で共通しますが、目的と機能の重心に明確な違いがあります。
- ログ管理ツール:社内のPC・サーバー・ネットワーク機器などから発生するログを収集・保管・検索し、ログの分析や異常挙動の検知までを担う製品。単独ログのなかでの不審な挙動の検出、レポート出力、内部不正の抑止、業務改善、監査対応など幅広い用途で活用される
- SIEM:複数のログソースを横断した相関分析により、単独のログでは見つけにくい高度な攻撃パターンを検知することに特化した製品。ファイアウォールやIDS/IPS、認証システム、業務システムなどから収集したイベントログをリアルタイムに突合し、標的型攻撃や内部犯行の兆候を検出する
両者の関係は、ログ管理ツールが「収集・保管と単独分析の基盤」、SIEMが「複数ログの相関分析による高度な検知の上位レイヤー」と整理できます。中規模以上の組織でセキュリティ対策を高度化する場合、ログ管理ツールで収集したログをSIEMに連携させる運用が一般的です。
SIEMは高度な運用スキルと大きな投資を要するため、小規模組織ではまずログ管理ツール単体からスタートするケースが多くみられます。
ログ管理ツールおすすめ7選
ここからは、ログ管理ツールの代表的な7製品を紹介します。
- wakucone plus(NTTスマートコネクト株式会社)
- SKYSEA Client View(Sky株式会社)
- MCore(住友電工情報システム株式会社)
- MylogStar(株式会社ラネクシー)
- Logstorage(インフォサイエンス株式会社)
- ALog(株式会社網屋)
- MITERAS仕事可視化(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)
※掲載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です
wakucone plus(NTTスマートコネクト株式会社)

wakucone plusは、NTTスマートコネクトが提供する法人向けクラウドサービスで、業務の可視化・IT資産管理・情報漏洩リスク検知を一つのプラットフォームで扱えます。国内13,000社を超える導入実績を持ち、PC操作ログやアプリケーションの稼働状況をAIが分析することで、労働時間の実態把握や業務負荷の偏り把握など、労務コンプライアンスや働き方改革の推進にも活用できます。
主要なリスクをダッシュボードで可視化し、簡易な動線かつ直感的な操作で、誰でも簡単に対処までワンストップで実施が可能。専任のIT管理者がいない中小企業でも運用しやすく、業務可視化と同時にセキュリティ対策も進めたい組織に適した製品です。
wakucone plusの詳細はこちら
wakucone plusの機能一覧はこちら
SKYSEA Client View(Sky株式会社)
SKYSEA Client Viewは、Sky株式会社が提供するクライアント運用管理ソフトウェアです。国内での長年の運用実績と、大手企業から中小企業までカバーする対応範囲が強みで、初めてログ管理ツールを導入する組織でも取り組みやすい設計となっています。
オンプレミス版とクラウド版の選択が可能で、オンプレミス版は大規模環境に対応するスケーラビリティを備えています。IT資産管理と操作ログ管理を一体化した運用を志向する組織に向いた定番製品と言えます。
MCore(住友電工情報システム株式会社)
MCoreは、住友電工情報システム株式会社が提供するIT資産管理・PC操作ログ管理製品です。操作ログを取りこぼしなく収集する高い精度と、高速検索機能を強みとしています。
業務ネットワークやPCへの負荷を最小限に抑えつつ、大規模環境でも安定してログを収集できる設計が特徴です。ファイル操作、ログオン・ログオフ、印刷、USBデバイス接続などのログを網羅的に取得し、内部不正の抑止と情報漏洩対策を支援します。導入支援体制も整っており、初めて操作ログ管理を導入する組織でも運用に乗せやすい製品と言えます。
MylogStar(株式会社ラネクシー)
MylogStarは、株式会社ラネクシーが提供するPC操作ログ収集・分析専用のソフトウェアです。VMwareやCitrixなどのシンクライアント環境にも対応しており、テレワークや仮想デスクトップ環境でのログ取得に強みを持ちます。
業界トップクラスのログ収集精度と、見やすい管理画面によるログ活用のしやすさが評価されている製品です。クラウド型のMylogStar Cloud、オンプレミス型のMylogStar Enterprise、サーバー監査用のServerAuditなど、環境やニーズに応じた製品ラインナップを揃えています。
Logstorage(インフォサイエンス株式会社)
Logstorageは、インフォサイエンス株式会社が提供する統合ログ管理製品です。国内ログ管理市場での長い実績を持ち、多様なログソースからのログ収集と長期保管に対応します。
PC・サーバー・ネットワーク機器・業務システムなど、幅広い機器から発生するログを圧縮保管し、監査対応や内部統制の強化を支援します。Windowsイベントログ、Syslog、テキストログ、データベースログなど多様な形式に対応しており、大規模環境や複雑なシステム構成の組織で選ばれています。
ALog(株式会社網屋)
ALogは、株式会社網屋が提供する統合ログ管理製品です。ファイルサーバーやActive Directory、業務システムなどのサーバー系ログの管理に強みを持ち、SIEM機能を備えた「カンタンSIEM ALog」もラインナップされています。
サーバー上の詳細な操作履歴を分かりやすいレポート形式で可視化できる点が特徴で、監査対応の負担軽減に活用されています。取得したログを独自形式で圧縮保管し、長期保管時のストレージコストを抑える設計が採用されている製品です。
MITERAS仕事可視化(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)
MITERAS仕事可視化は、パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が提供する業務可視化ツールです。PC操作ログから労働時間の実態や業務プロセスを分析し、労務コンプライアンスや働き方改革の推進に活用できます。
勤怠システムやスケジューラーと連携し、自己申告の労働時間とPC稼働時間の差異を自動で可視化する機能が特徴で、隠れ残業やサービス残業の抑止に役立ちます。業務内容の分析、労働時間の適正把握など、労務管理と業務改善の両面から企業運営を支援します。
ログ管理ツールの主な機能

ログ管理ツールが備える代表的な機能は以下の4つです。製品を選定する際は、これらの機能が自社の管理対象や運用体制に合っているかを確認する必要があります。
- 各種ログの自動収集
- レポート・可視化
- アラート・異常検知
- ログの長期保管
各種ログの自動収集
ログ管理ツールの中核機能が、複数の端末やシステムから発生するログの自動収集です。PC操作ログ、サーバーの認証ログ、ネットワーク機器の通信ログなど、収集対象は製品によって異なります。
PC端末側にエージェントソフトを配布して収集する方式や、ネットワーク経由でログを受信する方式が一般的で、収集頻度や対象範囲は管理画面から柔軟に設定できます。業務時間外や休日でも自動的にログが収集されるため、管理者による手動作業は最小限に抑えられる仕組みです。テレワーク環境では、社外PCのログをインターネット経由で収集できるクラウド型ツールが選ばれる傾向にあります。
レポート・可視化
収集したログは膨大な量にのぼるため、そのままでは実務での活用が難しくなります。ログ管理ツールは、ログをグラフや表、ダッシュボードとして視覚的に可視化する機能を備えており、日次・週次・月次のレポートを自動生成できます。
部門別・端末別・利用状況別など、多様な切り口でログを集計し、経営層や管理部門への報告資料としてそのまま活用できる形にまとめられます。AIによるログ要約機能を備えた製品もあり、注目すべき事象を自動で抽出して文章で解説する仕組みも登場しています。可視化の精度と使いやすさは、ログ活用の成否を分ける要素と言えます。
アラート・異常検知
ログ管理ツールは、事前に設定した条件に該当する事象を検知した際、管理者へアラート通知を送信する機能を備えています。深夜のファイルアクセス、大量のデータダウンロード、通常業務では利用しないアプリケーションの起動など、不審な挙動を条件として設定できます。
アラート機能を活用することで、インシデントの兆候を発生直後に把握でき、被害拡大前に対応を開始できます。メール通知、管理画面上の表示、Slackなどチャットツールとの連携など、通知手段は複数用意されている製品が多くみられます。アラート条件の設計は運用開始時の重要な作業で、過剰な通知にならないよう業務実態に合わせて調整することが必要です。
ログの長期保管
法令や業界基準で求められるログの保管期間は、業種・法令によって異なります。労働関係では労働基準法第109条により、賃金台帳や労働時間の記録などの保管期間として最長5年(経過措置として当分の間は3年)が定められています。
保管容量とストレージコストのバランスを取るため、多くの製品でログの圧縮率を高める独自技術が採用されています。クラウド型では端末数に応じた従量課金制が一般的で、必要に応じてストレージを拡張できる柔軟性があり、保管期間の設定、自動削除、監査対応時の一括エクスポートなど、長期運用に必要な機能が標準で備わっている点も特徴です。
ログ管理ツールの選び方5つのポイント
数多くのログ管理ツールから自社に合う製品を選定するには、以下の5つのポイントを判断軸としましょう。
- 目的に合ったログを取得できるか
- 分析・活用しやすい画面設計か
- 自社の規模・環境に合った提供形態か
- ログの保管期間・容量が要件を満たすか
- 導入・運用サポート体制が充実しているか
目的に合ったログを取得できるか
ログ管理ツールを選定するポイントは、自社が管理したいログの範囲と、製品が取得できるログの範囲が一致しているかです。
ファイル操作の履歴のみを取得すればよいのか、Webアクセスやメール送信、USBデバイスの接続履歴まで含めるのか、業務システムの操作履歴も対象にするのかで、適した製品タイプが変わります。製品によっては標準機能で取得できず、オプション契約が必要な項目もあるため、必要なログ種類の取得範囲は事前に確認しておきましょう。
分析・活用しやすい画面設計か
ログ管理ツールは導入後の運用が長期にわたるため、日常的に画面を操作する担当者が直感的に扱えるかが重要な選定ポイントとなります。ダッシュボードの見やすさ、ログの検索性、レポートの分かりやすさ、アラート設定の容易さなどを、体験版やデモで実際に確認しましょう。
専任管理者がいない組織では、専門知識がなくても要点を把握できるダッシュボードや、AIによるログ要約機能を備えた製品が候補になります。画面設計の使いやすさは、ログを実務で活用できるかどうかを左右する要素です。管理者だけではなく、経営層や部門長が閲覧する場面も想定した設計になっているかも、確認価値のあるポイントと言えます。
自社の規模・環境に合った提供形態か
ログ管理ツールにはクラウド型とオンプレミス型があります。クラウド型はサーバー構築・保守の負担がなく、初期費用を抑えて短期間で導入できる利点があります。テレワーク端末や多拠点管理にも柔軟に対応可能です。
一方オンプレミス型は自社サーバーで運用するため、カスタマイズ性が高く、クラウド保存が社内のセキュリティポリシー上難しい企業に適した提供形態です。社内・テレワーク・海外拠点など運用環境の多様性、管理対象の規模、既存システムとの連携要件を整理したうえで、自社の運用実態に合う形態を選定しましょう。
ログの保管期間・容量が要件を満たすか
ログの保管期間は、法令や業界基準、社内規程によって定められています。ログ管理ツールの選定時には、必要な保管期間を確保できる容量が用意されているか、または追加できる仕組みがあるかを確認しましょう。
クラウド型の料金体系は、端末数に応じた月額課金プランや、ログ容量に応じた課金プランなど、製品によって異なります。自社の端末数や取得したいログ量に照らしてプランを選定することで、保管期間切れによる証跡不足や、容量不足による古いログの削除を防げます。
あわせて、ログの圧縮率、自動削除の柔軟性、保管期間切れ時のアラート機能なども、選定時の確認事項に含めておきましょう。
導入・運用サポート体制が充実しているか
ログ管理ツールの導入時には、初期設定、アラート条件の設計、運用ルールの整備など、専門的な支援が必要となる場面が多くあります。ベンダーがどこまで導入支援や運用サポートを提供するかは、選定時に必ず確認すべきポイントです。
特に初めてログ管理ツールを導入する組織では、担当者が自分で疑問を解消できるチュートリアルや操作マニュアルなどのカスタマーセルフサービスが充実している製品が望ましい選択肢となります。定期的なバージョンアップの提供体制、法令改正への対応スピード、ユーザーコミュニティの活発度なども、長期運用を支えるパートナーとしての評価軸です。
ログ管理ツールに関するよくある質問
ログ管理ツールの選定や導入時に、よく寄せられる質問への回答をまとめました。
ログ管理ツールで何がどこまでわかりますか
ログ管理ツールを導入することで、いつ・誰が・どのPCで・何をしたかを詳細に記録・追跡できます。ファイル操作、Webアクセス、印刷、USBデバイスの接続履歴、ソフトウェアの起動・終了、業務システムへのログイン・ログアウトなどが主な対象です。
中小企業でも運用できるログ管理ツールはありますか
専任のIT管理者がいない中小企業でも運用可能な製品は数多くあります。おすすめの条件は、初期費用を抑えやすいクラウド型、専門知識がなくても要点を把握できるダッシュボード設計、必要な機能のみ選択できる柔軟な料金体系の3点です。
ログの保管期間はどれくらいが目安ですか
ログの保管期間は法令や業界基準によって異なります。労働基準法第109条では賃金台帳などの保管期間として5年(経過措置として当分の間は3年)が定められており、金融業界のPCI DSS基準では最低1年が求められます。
業界特有の要件を確認したうえで保管方針を定めることが安全です。多くの企業では、内部監査対応も考慮して3〜5年程度の保管が一般的となっています。
クラウド型のログ管理ツールでテレワーク端末や外出先PCのログも取得できますか
クラウド型のログ管理ツールは、インターネット経由でログを収集できるため、社内ネットワークに接続していない環境の端末からもログを取得可能です。テレワーク中の自宅端末、外出先で利用する営業社員のノートPC、海外拠点の端末など、多様な環境下の端末を一元管理できます。
VPN接続やゲートウェイ経由の中継が不要で、PC側のエージェントソフトがインターネット経由でクラウド上の管理サーバーへログを送信する仕組みが一般的です。
まとめ
ログ管理ツールは、社内で発生する各種ログを一元的に収集・保管・分析し、セキュリティインシデントへの対応、内部不正の抑止、法令・監査対応、業務改善など、幅広い運用課題に対応する基盤となる製品です。ツールは4つのタイプに分類でき、自社の管理対象と目的に合ったタイプ・製品を選定することが導入成功の鍵となります。

社内で発生する各種ログを効率的に管理し、セキュリティ対策と業務改善を両立したい、専任のIT管理者がいない環境でも運用できる製品を探しているとお悩みの場合、IT資産管理、セキュリティ対策、業務可視化を一つのプラットフォームで実現する「wakucone plus」がおすすめです。
wakucone plusは以下の特徴を備えています。
- 専用のクライアントツールをインストールするだけで、PC・業務端末の操作ログを継続的に自動収集
- 主要なリスクに対するアラートがあらかじめ定義されているため複雑な設定作業が不要
- AIコメント機能により専門知識不要で状況把握が可能
- IT資産管理・セキュリティ対策・業務可視化の3領域を統合
